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SDI 中国不動産事情
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≫ 国家発展改革委員会:外国企業による投資に対する管理強化を発表
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2008年7月18日、国家発展改革委員会は、「外商投資項目の管理における管理
強化に関する通知」(発改外資[2008]1773号)を発表した。
本通知上の発表日は2008年7月8日。
昨今の人民元切り上げ期待によるホットマネーの流入を抑制する狙いがあるも
のと見られるほか、外国企業の投資における虚偽の報告や認可を受けないまま
投資が実行されるケースが見られることから、これらの監視強化の目的もある
と考えられる。
各地方レベル当局は、投資の真実性、妥当性を諮るため、コンサルティング会
社に評価を依頼する。
「外商投資産業指導ガイドライン」をもとに、総投資額(含む増資)が1億米
ドル以上の「奨励類」と「許可類」、および5000万米ドル以上の「制限類」に
関しては、国家発展改革委員会への申請報告が必要となる。
また、1億ドル以下の「奨励類」「許可類」および5000万米ドル以下の「制限
類」に関しては、地方レベルの当局での審査となる一方、「制限類」は省レベ
ルでの審査が必要となる。
【研究員の眼】
2008年7月1日より、これまで商務部での認可が必要だった外国企業による不動
産投資は、地方当局での許認可に移った。
この政策は、商務部での業務軽減の側面が強く、これまで、投資許認可に時間
がかかっていたことに対して、時間的節約となり、投資チャンスを逃す可能性
が低くなると歓迎される見方が強かった。
しかし、投資の規制緩和という意味合いは少なく、今まで通り、中央政府は外
資による不動産投資に目を光らせている。
管見の限りとなるが、不動産市場から見ると、今回の通知は、上記の商務部の
決定と合致していない点が出てくるように思われる。
たとえば、ガイドラインに掲載されている不動産に関する項目は、上記の商務
部の決定か、国家発展改革委員会の決定か、どちらにしたがうのかよくわから
ない。
しばらくは、市場での意見を聞くことが重要だろう。
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≫ 深セン:住宅ローンのデフォルトが増加か
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2008年7月26日付のロイター通信によると、2008年上半期における住宅ローン
の焦げ付き率が上昇した。
深センにある商業銀行において実行された住宅ローンのうち、返済されていな
いものが2008年6月末において17億4,000万元、ローン全体における割合は、
2008年初頭に比べて0.11ポイントして0.79%だった。
なお、これに対して、当局は、楽観の態度をとっている。
【研究員の眼】
2007年、深センの不動産価格の上昇率は目を見張るものがあった。
2007年の秋頃から沈静化に向かったが、それまでに、香港を中心にホットマネ
ーが流れ込んだといわれている。
この原因の一部をつくりだしたのが、福田と香港を結ぶ橋の開通だったといわ
れている。
これに目を付けた投資家が、南山や福田の高級住宅に一気に投資。
このあと、世界的な原油高やインフレ懸念の台頭、住宅ローン政策などがもろ
に深センの不動産市場を襲った。
おそらく、2007年の夏頃に不動産を購入した投資家は、相当頭を抱えているは
ずだ。
2008年7月25日付のSouth China Morning Postによると、広州においても、
2008年上半期の取引量、投資額、平均価格などは、前年同期比でマイナスを記
録している。
とくに、深センは、香港の経済に引っ張られる傾向があり、大陸側の影響と板
挟みになる状況がある。
深センの不動産が騒がれているのは、世界経済の窓口である香港および大陸の
影響をみるうえで、一種のリトマス試験紙的な役割を果たしているからであろ
う。
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≫ 上海:高級住宅の取引が依然として好調
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2008年7月29日付の『上海日報』によると、2006年以降の度重なるマクロ調整
にもかかわらず、高級住宅の取引は好調である。
高級住宅が比較的多い市内中心部においては、高級住宅の供給量が少ないほか、
投資家および実需使用の購入希望者の数が多い。
外資系不動産会社のCB Richard Ellis、DTZ、Colliers Internationalは、と
もに高級住宅市場に対して楽観的な態度をとっている。
佑威房地産情報サービスのデータによると、高級住宅の取引量および平均価格
の最近の推移は以下の通りである。
(左から年月、取引面積、取引戸数、一平米あたり平均価格)
2007年1月 62,041 361 27,869
2007年2月 40,650 201 31,285
2007年3月 54,478 304 27,626
2007年4月 107,278 605 27,294
2007年5月 149,124 772 27,142
2007年6月 172,736 922 27,198
2007年7月 186,080 1,026 25,258
2007年8月 203,054 1,155 29,143
2007年9月 184,628 1,047 27,735
2007年10月 184,060 982 30,384
2007年11月 122,924 637 28,877
2007年12月 128,470 707 28,040
2008年1月 90,519 507 30,428
2008年2月 38,624 268 26,784
2008年3月 161,697 937 29,806
2008年4月 227,425 1,541 33,104
2008年5月 206,851 1,436 28,729
2008年6月 296,949 1,984 32,461
※ここでの高級住宅の定義は、
(価格)20,000元/平米
(所在地)
浦東:陸家嘴、世紀公園
長寧:中山公園、虹橋、天山、新華路、古北
徐匯:徐家匯
黄浦:人民広場、老西門、濱江
静安:江寧路、南京西路
盧湾:淮海中路、打浦橋
【研究員の眼】
上記の平均価格は、総取引額から総面積を割っただけのものと考えられる。
ということで、平均価格は、基本無視してもかまわず、その時期その時期の
「相場」と理解すべきだろう。
2008年4月以降、取引戸数が4ケタになっており、これは前年同月比ベースでも
100%、あるいはそれ以上の増加となっている。
佑威のデータは、不動産取引センターから入手している元データから統計をは
じき出していると考えられるため、この数字には信憑性がある。
一部には、過剰流動性による行き場を失った資金が不動産市場に流入している
との意見がある。
株式市場が低迷しており、不動産市場に流れざるを得ない状況である、と。
価格が下がればすぐに買いが入るのが現状である。
需要が強い状況は現在も変わっていない。
一方、高級住宅の取引がある程度確保されている中で、上海市全体では取引量
は下落している。
(月次レポートで報告済み)
単純に差し引くと、中低価格の住宅の取引が減少しているということになる。
外資系不動産企業は、概して投資を中心に市場を見るので、実需向けという観
点から見ることが少ない。
彼らが楽観視できるのは、力強い需要があるし、供給も少ない、株式市場は低
迷、人民元は切り上げる、といったなかなか崩れそうにない側面を見抜いてい
るからである。
しかし、中低価格住宅の取引量下落という動向は注目すべきだ。
実需が崩れてきているとなると、いわゆる「バブル」という影が表面化する可
能性があるからである。
株式市場の回復には、まだまだ時間がかかりそうだが、上向きになったときが、
不動産市場にとって、ひとつの分岐点となるだろう。
このあとの動向を、実需と投機の広がり具合から見る必要があるだろう。
この動きを無視して、楽観的になってはならないのである。
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≫ 国家発改委:不動産監視システムの開発へ
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2008年7月28日付の『東方早報』によると、国家発展改革委員会は、不動産市
場における警報予測システムの開発に関する初期予算概算が承認されたことを
発表した。
不動産監視システムは、全国40都市をカバーし、実際の取引量と価格を監視す
る。
これにより、不動産市場に対する投機的行為や市場の変化を把握し、適確な政
策を打ち出すことができるようになるという。
なお、開始時期は未定。
【研究員の眼】
中国の不動産市場調査に実際に従事している私は、調査のたびに「データがな
い」「数字が怪しい」といった悩みを抱える。
たとえば、上海や北京、広州といった大都市では、比較的信憑性があると思わ
れるデータを入手できるが、それでも計算方法などがあやしい。
総取引額から取引面積を割るだけで平均価格を算出するので、時系列的に見て、
いったい増加したのか減少したのか、その場での感覚的判断でごまかすしかな
い。
国家発展改革委員会は、国家統計局と共同で全国70都市の不動産価格指数なる
ものを毎月発表している。
毎月データをため込んでグラフ化してみるのだが、どうも市場の肌感覚とずれ
ている。
70都市すべてが、まともに統計を出し続けているとも考えられないし、そもそ
も、どうやって算出しているのかすらわからない。
仮に、今回発表された不動産監視システムが導入されたとしよう。
まず、40都市でまともに正確な情報が入力されるのか、という、そもそも論が
ある。
(たとえば、測量レベルですでに数字がずれている可能性があって、そこがず
れると、すべてがずれる)
次に、どのような数字をもって統計が出されるのか、その算出根拠がうやむや
になる可能性が高い。
さらに、それが根拠となって本当に政策が発表されるのかどうか、かなり怪し
い。
私は、今回の計画は、発進したとしても形骸化する可能性が高いと見る。
目的が投機抑制ならば、現状に即して政策を発表する方法で十分ではないだろ
うか。
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